「The 50 Best Albums of 2022」

早いもので今年も残りもう僅か。恒例の年べスを発表したいと思います。ためにならない駄文付きですが、どうぞ楽しんでご覧ください。


50.






String Machine: Hallelujah Hell Yeah

2022.2.25 [Self/Know Hope]


Of Monsters and Menがオルタナカントリーを、もしくはWilcoがチェンバー・ポップを演ったような。いやーほとんど話題にならなかった気がするけど、クオリティ高いポップ・ソングばかりで聴きやすい内容でした。


49.






Valleyheart: Heal My Head

2022.6.3 [Tooth & Nail]

Jimmy Eat WorldやDeath Cab For Cutieを追っかけていたインディー/エモ好きにはきっと響くバンド。楽曲のクオリティなら負けず劣らずだと思います。


48.



$uicideboy$: DIRTIESTNASTIEST$UICIDE

2022.12.16 [G59]

こないだ出たばかりの最新作ですが、ハイパーポップみあるエモ・ラップ/トラップで好みに寄ってきました。もう既にブレイクしてるけどそろそろ本腰入れて聴いていこうかな。


47.



Pet Fox: A Face In Your Life

2022.6.17 [Exploding in Sound]

OvlovとPalehoundのメンバーからなるバンド。オルタナ・ギターバンドが持つ普遍的な魅力を持っている長く聴けそうなアルバム。抜けたドラムもDJ的には推せる要素の一つ。


46.






Fred again..:
Actual Life 3(January1-September9 2022)

2022.10.28 [Warner]

今年大ブレイク。僕自身も含めてコーチェラでのライブが大きかったと思う。このスケール感でテクノ演れるアーティストってDisclosure以来の気がするし、グルーバー的にもずっと待ってた音。デンマークのロスキルドフェスでは入場制限で涙を飲みました。。。


45.





Destroyer: LABYRINTHITIS

2022.3.25 [Merge]

独特のひねりがあるバンドだよね。そこが神秘的でもある。

近作のシンセ色をやや薄れさせたも良かった。極上のムードで鳴らすインディー迷宮。


44.




Wunderhorse: Cub

2022.10.7 [Communion Group]

DJでは全くかけてないんだけど(そろそろかけます!)結構聴きましたね。M-1,7,10あたり、めっちゃStone Temple Pilotsに似てて身体に入ってきやすいからかも。イギリスっぽさはほぼないんだけど骨太なUSロック好きに響くバンドかと。


43.



piri & tommy: froge.mp3

2022.10.21 [Self/Universal]

PinkPantheress以降のサウンドの中でも圧倒的にポップなのが彼女らの強み。時流にきっちり乗っかるとこも含めて20年代のThe Ting Tingsだと思ってます。ライブもかわいい。


42.




Denzel Curry:
Melt My Eyez See Your Future

2022.3.25 [PH/Loma Vista]

バウンシーさはやや後退して、ジャジーでソウルフルなトラックが際立った聴かせる内容。大人びたというかクオリティづいてきたというか。ネクストの階段を上ってるのかな。「Walkin」が至高。彼はセンス良いんですよ。グルーヴの妙がわかってるなあとライブを観て思ったし。でも座頭市でブチ上げてるライブも観てみたいよね。演ってないんだけどさ。


41.




Flasher: Love Is Yours

2022.6.17 [Domino]

PavementがC-86サウンドを演ったような。90'sインディー・ポップからヨットロックまでサウンドも幅広い。密かにリスナーの支持を集めていた、地味だけど長く聴けそうなインディー及第点アルバム。


40.




Gretel Hanlyn: Slugeye

2022.5.5 [VLF]

Mura Masaの「2gether」でカタルシス全開の歌声を披露していてすぐに気になった彼女。Mura Masaのエッセンスが注ぎ込まれたインディーSSW楽曲群に、この声が加われば無敵かと。次のアルバムで更なるブレイクも間違いなしでしょう。


39.




NEIL FRANCES:
There is no Neil Frances

2022.1.28 [Self/Nettwerk]

今年はトロイモのALがそこまでだったので、その欲求を埋めるように結構聴いてたデビューAL。音的にはそこにホット・チップが混じってくる感じ。ベニー・シングスとのM-8はもっとかけていきたいところ。こういう音はなんぼあってもいいですね。


38.





Yeah Yeah Yeahs: Cool It Down

2022.9.30 [Secretly Canadian]

9年ぶりの最新作で自分たちの音楽を懐古的に感じさせずに、今のサウンドとして鳴らせたのが凄い。暗いトーンのポストパンク曲を減らしつつ、露骨に聴こえないようにポップ化してるのが実に巧みです。


37.


Sigrid: How To Let Go

2022.5.6 [Universal]

1stはオケのポップ圧が強すぎて苦手だった(以前観たライブで冒頭3曲で退散した)んだけど、2ndはやや落ち着いたオケを使いつつ、ヴォーカルの魅力によりスポットを当てたサウンドになったのが良かった。今年観たライブではフルで楽しめました。


36.



Kae Tempest: The Line Is A Curve

2022.4.8 [Republic/UMG]

ここまでエレクトロニックに寄ったトラックでくるのは意外だったけど、踊れたら最強というのは誰しもが確信していたところ。ツンとしたフローがリリックの緊張感を増幅させる感じたまらんよね。Little Simzに次ぐラッパーだと思います。


35.




Sudan Archives:
Natural Brown Prom Queen

2022.9.9 [Stones Throw]

LAのアフリカン・ビートxエレクトロニック。Stones Throwからってだけで外せないんだけど、クラシカルなR&Bにハンドクラップがフックとして効いてるのがオリジナルなグルーヴ感だと思う。ヴァイオリンを肩に装備したままライブするのもカッコいいですよね。


34.





Tennyson: Rot

2022.2.18 [Counter Records]

浮遊感あるビートと程よいポップ加減が絶妙なベッドルーム/インディーダンスで、作業BGMとして今年大活躍しました。


33.





The Orielles: Tableau

2022.10.7 [Heavenly]

2ndの方向性をさらに推し進めたオルタナティヴな気概に満ち溢れたアルバム。バンドのアンサンブルもより複雑にディープに深化してる。そのポップな雰囲気とは裏腹にっての、すごく大事なとこなんですよ。


32.






Jockstrap: I Love You Jennifer B

2022.9.9 [Self/Rough Trade]

BC, NRの方には今のところ興味がなくなってしまったけど、彼女には期待してます。グリッチ/エレクトロからインディーポップまで色々演れる才女ですが、根底にジャズを感じるのが推せるポイントなのだと思います。


31.




Beyonce: RENAISSANCE

2022.7.29 [Parkwood/Columbia]

ディスコ~ハウス~アフロビートがわき踊った解放感がみなぎるダンス・グルーヴで、一音一音の解像度の高さが半端ないね。この年にしてようやくビヨンセの凄さがわかってきたマンです。。


30.





Mykki Blanco: Stay Close To Music

2022.10.14 [Self/Transgrssive]

もともとサウンドの幅が広いラップ・アーティストなんだけど、今作ではアノーニやマイケル・スタイプ!も参加してて普通に歌ってる曲もあったりでロック・リスナーにもスッと入ってくる。ガンビーノやタイラー・ザ・クリエーターらとはまた違った多彩さがいいですね。


29.



Charlotte Adigery & Bolis Pupul: Topical Dancer

2022.3.4 [Bounty&Banana/DEEWEE&Because Music]

HAHAのインパクトが凄すぎる。もっとかけないとハハハ。


28.




Mo Troper: MTV

2022.9.2 [Lame-O]

まるでマシュー・スウィートやザ・モルディ・ピーチズ、はたまたザ・ビートルズが今の若者だったら、ヴォーカルをピッチシフトしてたんやろか。そんな遊び心から生まれたような、ノイジー&サイケにひねくれまくったパワーポップで最高ですね。M-2はアンセム化も狙える名曲。昔に流行ったチップマンクスを思い出したりも。


27.



The Linda Lindas: Growing Up

2022.4.8 [Epitaph]

今年、最も元気をくれたライオット・ガールズ。彼女らの登場でDJ的にもポップパンクかけやすくなりました。まだまだ若いのでこの調子で突っ走って欲しい。


26.




Little Simz: NO THANK YOU

2022.12.12 [Forever Living Originals/AWAL]

マーキュリー・プライズ前作に引き続きInfloプロデュースということで、サウンドもその延長やしCleo Solも出てくるしでSaultチームは最強ですね。タイミング的にもBサイドもしくはDeluxe的位置づけの作品なのでキラーな曲は少なめだけど、こんなに早く新作を聴けるのが有難いです。


25.





Jennifer Vannilla: Castle In The Sky

2022.8.5 [Sinderlyn]

NO WAVE, POSTPUNK, ART PUNKが融合したアヴァンギャルドなサウンドがNYらしい。空想世界「ジェンニフェリア」で繰り広げられるオルタナティヴ・ダンスミュージックで一癖も二癖もありそうな歪んだポップ感がハマります。


24.




Shake Chain: Shake Chain

2022.11.18 [Upset The Rhythm]

キマりまくったときのカート・コバーンみたいな絶叫グランジ/ポストパンクで全編突っ走る。このテンションでライブいつまで演れるねん(数年で落ち着くやろ)なので、早めに観ておきたい所存です。


23.




BROCKHAMPTON:
The Family / TM

2022.11.17/18 [Question Everything/RCA]

今までで一番好みのアルバム(しかも2枚!)がキャリアの最後の最後に出てくるってのがファン泣かせ。クラシカルな90'sヒップホップからダンサブルなシンセポップへと、伸びしろもたっぷり残したままのフィナーレとなりました。


22.




Fontaines D.C.: Skinty Fia

2022.4.22 [Partisan]

今のバンドは成長が早い。1stの頃を考えると、3rdにしてもうベテランのような円熟味を感じるソングライティングとサウンドの奥行が凄い。"Jackie Down The Line"のヴォーカルと引き算で際立つシンプルなカッコよさにも惚れ惚れする。


21.






Arctic Monkeys: The Car

2022.10.21 [Domino]

「このベクトルは、、求めて、、な、い、、の、に」と、自分の心の中のDJがいいつつも、めちゃめちゃ素晴らしいと思う気持ちにも逆らえない。てか大方の期待を裏切ってるにも関わらず、ここまで称賛を集めてる時点で凄い。香港の夜景の中にこの音とムードが溶け込むの、もう想像しただけでたまらんのです。


20.





Mura Masa: demon time

2022.9.16 [Universal]

ロック/ポップに寄った前作と比べると、ややダンスミュージックに軸足を移したサウンドになった今作。レゲトンやアフロビーツの躍動感、ハウス/ブレイクビーツのポップな享楽性、そして、やっぱり「2gether」が最高すぎる。もう少しMV増やして欲しいな。


19.





The 1975:
Being Funny In A Foreign Language

2022.10.14 [Dirty Hit]

野心的な長作だった前作を経ての今作は、これまでに得たものを活かしつつトータルとしては粒ぞろいの名曲がずらり。尺が短いのは聴きやすい反面、あっさりしすぎたところもあってそこは評価が分かれるところ。個人的にはもっと寄り道して欲しかったけど、前作までは背伸びしすぎだの言われてて、今作はもっと聴かせろってんだからリスナーは勝手なものです。


18.




Fleshwater:
We're Not Here to Be Loved

2022.11.4 [Closed Casket Activities]

「Kiss the Ladder」は今年の最大瞬間風速、エヴァネッセンスとファーのような、ポスト・ハードコアとグランジ、そしてエモの絶妙なブレンド。ハードコアバンドが演るサイドプロジェクトはこうもどれも僕好みなのか。現代的でもあり90'sにも聴こえる、激情の中にあるポップネスがたまらんのです。



17.




Liam Gallagher: C'MON YOU KNOW

ようやくリアムのヴォーカルを活かすソングライティングが見えたかのような、ソロ3作目にしてオアシス解散以降の最高傑作。



16.






Nilufer Yanya: PAINLESS

2022.3.4 [ATO/PIAS]

相変わらずの才女っぷりを発揮している今作。レディオヘッドをちらちら意識してる風なのもいいよね。てか「chase me」が最高。このハスキーな声がほんと魅力的なんです。


15.




Jitwam: Third

2022.7.22 [Roys]

これもよく聴いたな~ジャズ、ファンク、アフロビート、ハウスとかごっちゃ混ぜのやつ。踊れるグルーヴ曲としっとり聴かせるソウル曲とのバランスも良くてトータルでクオリティ高いアルバム。


14.





Bonobo: Fragments

2022.1.14 [Ninja Tune]

よりグルーヴィーに、サウンドの幅も広がり、ゲストも豪華になった最高傑作。クラブでも耳にする機会が増えました。ライブも観たかったな、、(フジロック行かなかった人)


13.




Smut: How the Light Felt

2022.11.11 [Bayonet Records]

今年も幾多のガールズ・インディーの名作が生まれましたが、聴きやすさや気持ちよさでは頭一つ抜けてたかな。クランベリーズやコクトー・ツインズを思わせる、か細いツヤのあるヴォーカルとキラキラしたギターメロディーが抜群に良いんです。


12.




The Beths: EXPERT IN A DYING FIELD

2022.9.16 [Carpark]

もう1曲目から最高!インディーポップ/ロック系ではAlvvaysと双璧を成すといってもいいくらいのバンドに成長しました。期待を裏切らないどころか、しっかり超えてきた3作目。聴きながらチャリを爆走したい!


11.




Wet Leg: Wet Leg

2022.4.8 [Domino]

今年のUKインディーに活力を与えたのは間違いなく彼女たち。ここが今のリアルだった、というのは今年の新たな発見でもある。面白いと見るや一気にブレイクさせるアメリカのパワーも凄いし、なんとなくt.A.T.u.を思い出したり。オルタナとポストパンクのちょうど間をいくサウンドも絶妙で良いです。


10.




Yaya Bey: Remember YourNorth Star

2022.6.17 [Big Dada]

ソウル、ジャズ、アフロビート、レゲエのスムースなミックス。アルバムとして聴くときにそれぞれの曲がバリュエーションに富んでて飽きさせないのも重要なポイントです。今年のR&B系ではベスト。


9.




Kendrick Lamar: Mr. Morale & The Big Steppers

2022.5.13 [Aftermath/Interscope]

ピアノやストリングスが多めで、リトルシムズみたいなUKラップも思わせる作り。ヒップホップというよりかはソウルにも近い内容で、スウィートなグルーヴ曲があるのも特徴的。キャリア的には過去作には劣るものの、個人的には凄く好みの音でした。M-1,2があるのでDJ的にも申し分ないです。


8.




Dry Cleaning - Stumpwork

2022.10.21 [4AD]

オープニングのジャジーなポスト・パンクが衝撃でした。この冷たい音像、オノ・ヨーコかと。前作のような既聴感が無くなったのは、全体的に音を減らして軽くしたことでオリジナリティが溢れ出てきたからだと思う。いやー見事に化けましたね。M3「Gary Ashby」が最高!まだDJでかけてないけどそのうち必ず。シュシュシュ、、


7.





MICHELLE:

AFTER DINNER WE TALK DREAMS


2022.3.4 [Transgressive/Atlantic]

ベッドルームにぴったりなポップ~R&Bで、4人の女性ヴォーカルとシンセとドラムの男子2人の6人組っていう構成がいいし、ライブでの全く着飾ってない自然体なスタイルも好感触だった。このチープさにインディの魅力が詰まってる。


6.




ROSALIA: MOTOMAMI

2022.3.18 [Columbia/Sony]

ラテン音楽はもちろんのこと、ラップ、R&B、エレクトロまで取り入れたレフトフィールド・ポップ・アルバム。カワサキ、チキンテリヤキ、サクラ、そしてヘンタイ!など日本文化からの影響を盛り込みつつ、オラついたストリート・フラメンコでバルセロナから世界を旋風した、今一番ホットなスーパースターでしょう。




5.




Kenny Beats: LOUIE

2022.8.31 [Self/XL]

心地よく気分を弾ませてくれるヒップホップ・ビート。旅行用BGMとして最強でした。アヴァランチーズ賞があるなら今年はこのアルバムにあげたい。


4.






Mitski: Laurel Hell

2022.2.4 [Dead Oceans]

今年、音楽を存分に楽しめたのは彼女が戻ってきてくれたからだと思う。いや冗談抜きで。本当に有難う。過去3作が名盤すぎたせいか、やや肩透かしに感じたりもしたけど、今作からは聴けば聴くほどハマってくる、包み込まれるような温かい魅力がある。それは何だろうなと考えていたんだけど、おそらくこの心地よさは(アルバム中盤の)心拍音のビートからくるもので、僕は彼女の音楽に母親を感じているのかもしれない。そんな気がしている。


3.





The Big Thief: Dragon New Warm Mountain I Beleieve In You

2022.2.11 [4AD]

USインディーフォーク/カントリーの最高傑作のひとつ。ニール・ヤングに負けずとも劣らないソングライティングと、セッションによって生み出された幾重にも重なったグルーヴ感はこれまでになかった地点にバンドを推し進めたと思う。「Little Things」が至高。


2.





Alvvays: Blue Rev

2022.10.7 [P-VINE/Polyvinyl]

王道のAlvvays節でそのまま勝ち切った、最強のインディーポップ・アルバム。裏声がちらっと入るの相変わらず好きだし、M1から6まで名曲で畳みかけて、中盤からちょっと意欲的な曲を入れての「Belinda Says」という名盤の教科書的な構成もいい。シングルを切らないアルバム至上スタイルなのも彼女たちの美学が感じられる。


1.






Horsegirl:

Versions of Modern Performance

2022.6.3 [Matador]


90'sオルタナをベースにした現行インディーで、このクオリティを出せるバンドは全くいなかったのもあって「Billy」が出たとき飛びついたよね、遂に来たなと。でも、いざ現れてしまうと(今では)当たり前に感じてしまうから、ここでちゃんと言っておきたいなと。いやリズ系は多いんだよ。でも、このソニックユースとヨラテンゴの間をいくような音はマジでありそうで無かったと思う。しかもまだ10代なのが信じられないし、その粗削りでどこか足りないサウンドも彼女らの魅力を増幅させてます。地味な感じの見た目もすごくいい。


彼女たちのライブをリリース直後に観れて良かったなと。で、このこもりまくったサウンド、DJだと他の曲とミックスしづらいのが難点だけど、クラブで聴くとライブの出音とも(こもった音まで)近く再現度も高くてオススメですよ。


今年はインディーロックが上位を占めて、まだまだ終わらないぞと確信した一年でした。来年もたくさんの素晴らしい音楽との出会いを楽しみにしています。

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