「The 30 Best Albums of 2018」
30. SUPERORGANISM / S/T
29. GEORGE CLANTON / SLIDE
28. ANNA BURCH / QUIT THE CURSE
27. THE ORIELLES / SILVER DOLLAR MOMENT
26. MGMT / LITTLE DARK AGE
25. REJJIE SNOW / DEAR ANNIE
24. ARCTIC MONKEYS / TRANQUILITY BASE HOTEL & CASINO
23. SHAME / SONGS OF PRAISE
22. CHVRCHES / LOVE IS DEAD
21. OUR GIRL / STRANGER TODAY
20. BLOOD ORANGE / NEGRO SWAN
19. UNKNOWN MORTAL ORCHESTRA / SEX & FOOD
18. HATCHIE / SUGAR & SPICE
17. CLAIRO / diary 001
16. DIRTY PROJECTORS / LAMP LIT PROSE
15. NONAME / ROOM 25
14. JANELLE MONAE / DIRTY COMPUTER
13. VINCE STAPLES / FM!
12. TRAVIS SCOTT / ASTROWORLD
11. YVES TUMOR / SAFE IN THE HANDS OF LOVE
10. LILY ALLEN / NO SHAME
育休からカムバックしたかと思いきや、またまたご懐妊のリリー嬢(おめでとうございます)前作からの流れを突き詰めて、今のトレンドをリリー流に消化した(まだ)4作目。
多作家はDJ泣かせなので、彼女の地に足付いた活動ペースはとても好感が持てる。
ALは全体的にフックに富んでいて、天女のような歌声とビートの相性がとても良い。
初期のサウンドよりもしっくりきてるのに、ライブでは1~2ndの曲ばかり盛り上がってしまうのが辛いけど、頑張ってほしい。
9. NOW NOW / SAVED
かつては鳴かず飛ばすの印象でしかなかったNOW,NOWだが、
シンセポップの時代に上手く呼応し、インディーとの完璧な融合を施した。
あまりにも出来が良いのでイハが絡んでるのかな?とか勘繰りたくなるけど、
絡まないで正解。きっと余計なお世話にしかならなかったはず。
8. TRACY THORN / RECORD
英国屈指の女性レジェンド声を持つトレイシー・ソーン。
EBTG解散後のソロはSSW/ギターポップ寄りの曲が多かったが、満を持してのエレポップ・アルバム。常にムードをまとってるかのようなヴォーカルは健在で、80'sサウンドがEBTGの頃より開放的で伸びやかに聴かせる。
多くのファンがライブを待望しているが、なかなか実現しない。
彼女はたとえ亡くなっても2PACみたいに声だけでビジネスが成立しそうな気がする。
7. IDLES / JOY AS AN ACT OF RESISTANCE
わずかに荒削りだった1stを経て、混沌で退廃的ながらシンガロングできる大衆性をも持ち合わせた2ndは、80's後半以降、表舞台からは消えていたUKポストパンク/ハードコアの系譜を遂に更新した。
6. BROCKHAMPTON / IRIDESCENCE
登場から1年も経たない間に、全米を旋風するカリスマへと上り詰めたブロックハンプトン。
やはりSAN MARCOSが格別とはいえ、全体的に聴かせるパートやライン、ストリングスやエモーショナルなブレイクを増やしたことにより、ライブ構成にもフックが効いてパフォーマンスも一段上のレベルに到達した。
歌いやすいフレーズが多いのでライブではとにかく歌わせるけど、お客さんが歌詞覚えてきてて全パート歌ってしまうのが最高。
去年の3枚と合わせて1枚でリリース(残りの曲は絞ってEPに散らす)すれば、歴史的名盤になっていたのは確実で、絶対1位にしてたのに、それをしない(する必要性が低い)のがサブスク時代か。
5. THE 1975 / A BRIEF INQUIRY INTO ONLINE RELATIONSHIPS
正直に白状すると、このアルバムを聴くまでは彼らに大して興味がなかった。
アイドル面がシンセポップやればそりゃ売れるよね。でもそれはロックとは言わんよね、と。アメリカのポップ・トレンドをより意識した本作は、1st、2ndでは積極的ではなかった多様性を更に押し広げ、計算的ながらも実験的な瞬間を披露することで、音楽愛好家が求める水準をクリアし、2010年代を象徴するポップ・アーティストとして、その創造性の才気を遂に証明してみせた。
4. THE MAGIC GANG / S/T
ザ・マジック・ギャングが凄いのは普遍的であることだ。英国ロック音楽は60'sビートに始まり、グラム、パブロック、パンク、ネオアコ、マッドチェスター、ブリットポップと常に形式を変えながら歴史を刻んできた。
もちろん彼らの音楽も全く新しいサウンドではないが、先人たちからの影響を多分に感じられつつも、どこにも属さない時代性を持っている。新しいとは結局そういうことかもしれない。00'sには決して鳴らなかった音が20年ぶりにシーンに帰還し、時代錯誤とは全く異なったモダンな普遍性が、英国ロックの新たな教典となる。
3. GOAT GIRL / S/T
サウス・ロンドンの真打ちとして、既にデビューしていたシェイムやザ・ビッグムーンよりも早く来日したのは納得。なぜならクールだから、それに尽きる。アルバムの意図的にアガリ切らない感じとか、美人なのに声がひたすら低いのとか、ライブでほとんど表情変えないのとか、どの女性バンドよりもお洒落なのとか、どこを取っても格好良い。
そんなバンドとしての存在感、佇まいに強烈に惹かれるし、何度でも観たくなる。
2. SNAIL MAIL / LUSH
近年の数えきれないほどリリースされる女性インディ/SSWの中でも、圧倒的青春を放つのがリンジー・ジョーダンことスネイル・メイル。リード曲もさることながら、AL中~後半の緩めの曲でさえ歌声のパワーで心を揺さぶってくる。このグズった子供のような歌声が脳内から離れないのは、もはや母性であり生理現象だと思う。
この種のカテゴリーにおいてあまりにも決定的すぎる傑作ゆえに、ここ数年におけるUSインディの隆盛が一段落してしまったように感じてしまうのは、90'sにスマパンがメランコリーをリリースした頃の時分に似ている気がしないでもない。
1. MITSKI / BE THE COWBOY
ベースボールに大谷がいるのなら、インディーロックにはミツキがいる。
いやそもそも日本より海外での評価が高いことがその才能を裏付けている。
ダンサブルにエモーショナルにそしてポップに舵を切った、
唯一無二の全く新しいバランスで奏でる本作は、全曲3分前後のテンポよいミツキ節で、
アルバムごとに明確な進歩とストーリーがあるのも、稀代のアーティストであるからに違いない。世界の主要フェスのヘッドライナーを日本人のインディーロック・アーティストが務める日も、そう遠くないのかもしれない。僕はその軌跡をただただ追いかけたいと思う。
ポップ音楽を許容しないことには、リアルタイム音楽の大半は年々楽しめなくなってきました。今年はそれがさらに進み、僕のようなロックファンも完全に取り込まれた年といえます。
「ポップがマス化した」という語義矛盾のような2018年、でした。
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